研修・入局案内

教授メッセージ

消化器内科教授 土屋 淳紀

この度は、山梨大学医学部内科学講座消化器内科学教室のホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。令和6年11月1日付けで、第四代教授を拝命いたしましたのでご挨拶申し上げます。

山梨大学消化器内科(旧第一内科)は、昭和55年4月に鈴木宏初代教授(後に山梨医科大学 学長)のもと、消化器病学を中心に担当する山梨医科大学内科学講座第一教室として開設されました。鈴木宏先生は肝臓病学の権威であり、日本住血吸虫症の浸淫地でもある肝炎ウイルスに関連した肝疾患が極めて多い山梨県において、当科を肝疾患診療の拠点に育てあげられました。平成4年4月には藤野雅之先生が第二代教授に就任されました。消化器内視鏡及び内視鏡画像デジタル管理システムの開発、消化管運動、ヘリコバクター・ピロリ感染症の研究などの領域で大きな功績を残されました。さらに平成15年9月に榎本信幸先生が第三代教授(後に山梨大学医学部付属病院 病院長)として着任され「患者さんに親身、仲間と団結、自分を切磋、 常に挑戦」をモットーに、消化管、胆道・膵臓、肝臓を3つの柱として、それぞれを専門とするチームを発展へと導かれ今日に至っております。

消化器内科は、食道、胃、小腸、大腸のいわゆる消化管から、肝臓、胆道、膵臓のいわゆる肝胆膵領域までの消化・吸収・代謝など“生きる根源”に関わる領域で、“臓器連関”の中心でもあり、癌・炎症・感染症・線維化・再生・消化管運動機能障害など“多くの病・患者”を抱える領域です。そして、C型肝炎ウイルスやピロリ菌に対する画期的な治療が開発され、更に癌や炎症性腸疾患などにおいて目まぐるしく新薬が登場してくる“多くの新薬で目覚ましく発展”している分野です。更に、内視鏡、エコー、AIなどの“機器や技術が治療の発展へと密接に結びつく”分野であり、健康寿命延伸のために脂肪肝などの重要な指標を通して“生活習慣の改善のために先導的に関与していくべき”分野です。

このように消化器内科は人材の多様性が極めて重要な科で、多くの若手の医師にとって自分の“得意なあるいは好きな事・生きがいがきっと見つかる分野”です。私はこのような多様性のある人材を大切に、チームワークをまとめ上げ、よい教育システム・働きやすい環境を構築し、同時に個々の本来持つ能力を臨床・研究で最大限に引き出すことで、山梨県の地域医療、そして日本、世界の医学の発展に寄与したいと考えています。
中学生時代に“Men and women for others with others”という言葉に触れました。歳をとるにつれ、この短い言葉には医療・医学発展にも重要な意味が含まれると考えるようになりました。“医師ばかりでなく医療関係者の皆と一緒に一丸となる”ことで、相乗的に医療に貢献でき、研究でも“我々の持つ臨床経験”をベースに多くの基礎研究者や企業とも積極的に連携していくことでより医学の発展に寄与する成果を出せると考えています。

こうした考えを基に、これからの医療を担う若い皆さんと一緒に山梨大学消化器内科を更に発展させていければと考えております。若い先生には是非お気軽に山梨大学消化器内科の門をたたいていただければと思います。どうか、これからも山梨大学消化器内科をよろしくお願い申し上げます。

山梨大学消化器内科教授
土屋 淳紀