肝臓

診療内容

肝臓疾患に対して専門性の高い検査・治療を行っております。

主な対象疾患である肝細胞癌 (HCC) では根治的局所治療であるラジオ波焼灼療法 (RFA) 、マイクロ波凝固療法 (MCT) を手術室やRFA専用の部屋で行います。RFA施行時にはCTやMRIなどの画像情報をfusion imagingでエコーと同期させHCCを正確に同定し治療を行います。さらに超音波用造影剤や人工腹水や人工胸水を用いてより正確で安全な治療を行います。RFAは疼痛を伴うため緩和ケアチームと連携し自己調節鎮痛法 (PCA)を導入し疼痛緩和を行っております。

進行したHCCでは手術適応を検討し、切除不能な場合には分子治療薬の導入やカテーテルを用いた肝動脈化学塞栓療法 (TACE) や肝動脈化学療法 (TAI) 、さらに門脈腫瘍栓、転移巣には放射線治療を行い、それぞれの進行度に合わせ効果的な治療を提案します。

 

山梨県はC型肝炎患者が多い地域ですが、近年の抗ウイルス治療の進歩により外来で短期に高い治療効果を持つ治療が受けられます。当院ではC型肝炎ウイルスを次世代シークエンサーで解析し抗ウイルス薬が効きにくい遺伝子変異が無いかを確認した後に抗ウイルス薬を導入し高率な治癒が得られています。

B型肝炎治療では肝炎の状況に加え線維化進展の評価を行い適切な抗ウイルス治療とHCCスクリーニングを行います。

近年抗ウイルス薬の進歩によりウイルス性肝炎によるHCCは減少傾向にありますが、脂肪肝が原因と考えられるHCCは増加しています。当院でも脂肪肝に対する評価、改善を目的に脂肪肝外来を2018年8月に開設しました。