研究情報公開

当科で行っている研究に関する情報公開について
 当科では、以下の臨床研究・基礎研究を実施しております。これらの研究の中には、患者さんやご家族に ご説明してご理解いただき、そのうえで同意をいただくものと、直接のご説明や同意をいただく手続きが必要なく、研究に関係する情報を公開するものがあります。後者においては、文部科学省・厚生労働省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(第5章: 第12-2)」および文部科学省・厚生労働省・経済産業省の「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(第5-14)」に従い、対象となる患者さんのお一人ずつから直接同意を得るかわりに、研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。
 利用する情報からは、お名前、住所など、直接同定できる個人情報は削除します。また、研究成果は学会や雑誌等で発表されますが、その際も個人を特定する情報は公表しません。
 以下に当科で現在行われている研究についての情報を公開いたします。自身の診療データを研究に使用してほしくないという場合や研究に関するお問い合わせなどがある場合は、「問い合わせ先」へご照会ください。研究不参加を申し出られた場合でも、なんら不利益を受けることはありません。

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当科共通の研究

消化器疾患の経過を決める臨床因子の研究

受付番号 山梨大学医学部倫理委員会 1326 (2015/5/13承認)
研究課題名 消化器疾患の経過を決める臨床因子の研究
研究責任者 榎本 信幸
主任研究者 榎本 信幸
研究期間 H27年5月13日~H32年3月31日
研究の目的と意義  消化器疾患には、消化管(食道、胃、小腸、大腸)、肝臓、胆道あるいは膵臓の疾患など様々な疾患が含まれますが、同じ病名であっても経過は患者さんごとにとても異なっています。医学の進歩でそれぞれの消化器疾患ごとに、これらを予測する様々な検査等がこれまで開発されてきましたが、100%正しく予測する方法は未だ多くの消化器疾患で確立されていません。
本研究によって、予後を正確に予測するための方法が確立されれば、よりよい医療が受けられることにつながります。
本研究では消化器疾患において、診療録(カルテ)、血液検査、画像検査(レントゲン、CT、MRIなど)、内視鏡検査あるいは通常診療の検査時に上乗せ分として頂いた僅かな試料(血液、体液、組織、細胞など)を用いて行う検査などの情報を、診療の経過を通して調べることにより、経過を正確に予測する方法を確立することを目指しています。
研究内容

【診療情報の取得方法・試料の採取方法】
診療をさせていただく過程で得られる研究協力者の皆様の通常の診療記録(カルテ)、血液検査、画像検査、内鏡検査の結果などの診療情報を再利用させていただきます。また診療経過中に診断・治療のため検査を行う際に、僅かに上乗せして試料(血液7ml、体液、組織、細胞など)を収集します。試料はわずかに上乗せするだけですので、採取にともなう身体の危険性はほとんどありません。またこれまでに通常の診療において既に採取・保存されている試料や診療情報に関しても再利用させて頂きます。

【解析方法】
 診療記録(カルテ)、血液検査、画像検査、内視鏡検査や診療時に採取した試料(血液、体液、組織、細胞など)を用いて行う検査などの情報と病気の治療経過との関連を調べます。試料からは、試料をそのままで、あるいはたんぱく質や遺伝子、脂質や白血球などを取り出し、病気との関連について調べます。また遺伝子の“変異”については、病気に関連して生じる病変部の遺伝子変異(体細胞変異)、あるいはウイルスや細菌の遺伝子変異などを中心に解析します。皆様が生まれつき持っている遺伝子の変異(生殖細胞系列変異)については、臨床的に調べることが明らかに有用であることが確立された変異(薬剤の代謝と関連する変異など)に限って解析することがあります。

【対象】
山梨大学第一内科(消化器内科)、あるいは関連施設において診療された患者さんを対象としています。対象となった患者様においては、詳しい研究計画書の入手も可能です。本研究は山梨大学倫理委員会承認の下実施しますが、この研究にご協力いただくかどうかは、研究協力者の皆様の自由意思に委ねられています。一旦ご同意いただいた後でも同意撤回は、いつでも可能です。

【医学上の貢献】
本研究により被験者となった患者さんが直接受けることができる利益はありませんが、将来研究成果は、より患者さんへの負担の少ない治療の一助になり、多くの患者さんの治療と生活の質の向上に貢献できる可能性が高いと考えます。

【個人情報の管理】
本研究は山梨大学倫理委員会承認の下実施し、患者様のプライバシーが侵害されないよう、本大学倫理委員会の規程に基づき、匿名化した状態で登録を行います。解析結果は関連する学会や学術論文で発表致します(被験者を特定できる情報は使用しません)。

問い合わせ先 【担当医師】
氏名 前川 伸哉
職名 山梨大学医学部附属病院消化器内科(第1内科) 講師
住所 山梨県中央市下河東1110
電話 055-273-9584(医局事務室)
FAX 055-273-6748

肝胆膵消化管腫瘍の診断精度向上および治療効果予測を目的とした遺伝子探索研究

受付番号 山梨大学医学部倫理委員会 921 (2012/6/13承認)
研究課題名 肝胆膵消化管腫瘍の診断精度向上および治療効果予測を目的とした遺伝子探索研究
研究責任者 榎本 信幸
主任研究者 高野 伸一
研究期間 平成24年11月1日〜平成30年3月31日
研究の目的と意義  このたび膵疾患の良悪性鑑別診断や抗癌剤による治療感受性、有害事象発生予測などを目的とし、新たな研究を開始いたしました。患者様から頂いた検体試料よりDNA(遺伝子)を抽出し、遺伝子解析をすることで、将来におけるよりよい医療の実現を目指します。
研究内容 【対象となる患者様】 
膵・胆道疾患またはその疑いがあり、検査や治療のため病変に関連した組織や体液、あるいは血液を当院消化器内科を通じて採取された患者様です。ただし現段階ではあくまでも研究であり、今後どのような結果が得られるかは未知であり、患者様個人の診断と治療には直接結びつくものではなく、結果はお教えできないことをご理解ください。
【方法】研究参加者より頂いた検体 (血液、切除標本、膵液や胆汁などの体液、生検検体) や、診断・治療の際に得られた検体の余剰部分(既存検体)からDNAやRNAを抽出して病変の良悪性、悪性度、治療感受性と関連する遺伝子領域 (主に癌関連遺伝子の異常) を分子生物学的手法により解析し、臨床情報と併せて臨床に有用な診断法や治療法の開発に役立てます。
【利用する臨床情報】
臨床所見, 血液検査所見, 画像検査所見(エコー、内視鏡検査、CT, MRI), 病理検査所見(生検、細胞診検査、切除組織の病理診断)
【備考】
この遺伝子解析研究は、原則として患者様から書面による検体利用の同意書を頂いた場合に限り実施致しますが、過去に当院に通院されていたものの、現在通院されていない患者様では、同意書を頂くことが困難な場合があります。そこで過去にいただいた検体試料で遺伝子解析研究をする場合には、患者様のプライバシーが侵害されないよう、本大学倫理委員会の規程に基づき、検体試料が誰のものか完全にわからなくしたうえで(連結不可能匿名化)遺伝子解析を行います。同意書を頂いた場合でも、患者様のプライバシー保護のために、通常は検体試料が誰のものかわからないようにする処理を行います(連結可能匿名化)。対象となる患者様に対しては、本サイト上で研究内容を公示し、できる限り情報公開に努めて参ります。本研究は山梨大学倫理委員会承認の下実施しますが、患者様は本研究へのご参加を拒否する権利もございます。
【共同研究について】
本研究で提供していただいた試料(血液、膵液、手術後の余剰検体など)を他施設との共同研究に利用させていただく場合がございます。この場合も、試料は匿名化したうえで利用させていただきます。2015年9月現在、理化学研究所や和歌山大学との共同研究で、「膵管内乳頭粘液性腫瘍の良悪性を決める因子の同定」を計画中です。
問い合わせ先 【担当医師】
氏名 高野 伸一
職名 山梨大学医学部附属病院消化器内科(第1内科) 特任講師
住所 山梨県中央市下河東1110
電話 055-273-9584(医局事務室) FAX 055-273-6748